Tiempo tarde08

2024年のある昼の写真から

失敗の克服

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この街の美容室に行きました。
すごく前、専門学校を卒業したころに行ったヨーロッパのすてきな大都市で、なぜか「ここに来たからには美容室に行って髪を切らなくては」というわけのわからないミッションを自分に課して、見事に失敗しました。あこがれのすてきな街にいるのに、ずっと変な髪でした。
その失敗から、もう海外では美容室で髪を切らないと決意しました。
この街にきて3週間ちかくが経ちました。そろそろカラーをしないといけない時期なので、覚悟をして美容室に行くことにしました。
こんなこともあろうかと、近所の3つの美容室に目をつけていました。先生に「間違って髪を切られないように、最良のフレーズは何か」もきちんと事前に教えを請い準備万端でした。
最初に行ったヨーロッパの都市の名前がつく美容室は、椅子に座ってから聞かされた値段が、もうびっくりするほど高くて「ごめんなさい。払えません」と退きました。きっとマダムむけの美容室です。
次に行った、ものすごく全部ピンクでちょっと入ってみたいと思った美容室は、なんかすごいキラキラ系の人気店で、これはギャルむけだとすぐに分かり、あいさつだけして退きました。
3件目のお店はまさに町のサロンみたいなところでした。冷房がないのだろう開いた窓から、地元の女性でにぎわっているのがわかりました。「ここだ!」を思い入店。グっときました。ローブもかわいい。
この街ではたくさんいるけれど、その中でもかなりレベルの高いセクシーなご高齢の女性が染めてくれました。
とにかく気さくな町のサロン。染めたり、パーマかけたり、シャワー台にいたりする、これも高齢な女性皆さんがずっと大声で会話していて「いいなぁ」って思いながら、勉強のために会話に耳をすましていました。
きっと失敗したときは足りなかったんだろう。そこにいるための気持ちが。
たのしかった、克服の過程。そして今日の挑戦。
2024年3月記