Tiempo tarde25
2024年のある昼の写真から
おだやかな序章
徒歩で国境を越えた街の港から、1時間半、ボートに乗って島にむかいました。
その街でじゅうぶんステキなのだけれど、パワーのある場所へ行きたい同行者がパワーを浴びるためです。
湖なので、ボートはゆれることもなくおだやかな時間でした。ただシンプルな椅子と屋根しか居場所がない公共のボートにすっごい人数が詰め込まれます。カオスです。
「6000m級の山に登ってきたぜ」といった感じのすっごいザックを持ったひとたち。「バカンスよぉ」といった感じの場違いなスーツケースを持ったひとたち。「山初心者だけど、ここでもがんばって登ります」といった感じの中規模クラスのザックをもったわたしたちと同類のひとたち。
とにかくこの船に乗って1時間半で、自らの足で歩くことなく、重い荷物を持つこともなく島にたどり着ける。とても安心でおだやかな時間。
でも忘れてはいけない。スタート地点ですでに標高3800m。島の滞在場所は、きっとみんな港から階段をのぼったその先。
このあと息ができないくらいビックリの階段のぼりが待っているとも知らず、うたたねをして島に着きました。
そんなおだやかな船。島への序章。
2024年4月記