Tiempo tarde53
2025年のある昼の写真から
そうだったんだ
近くの島とのフェリーが行き来する港まで歩きました。
小学生のとき、いつも車で送ってもらった港までの道のりは、おとなになったせいか想像より近く感じました。
きっと当時は感動しなかっただろう、とてもおだやかな海。
港でこの日も母がにぎってくれたおにぎりを食べながら、小学生の夏は毎年、あのフェリーに乗って親類の家で数泊する海水浴に行ったことを思い出しました。
いとこや姉妹たちと、真っ黒になって遊んだ海。
信号のないゆるやかな島で、軽トラの後ろに乗ってみんなで歌った夕やけ時。
生家に行くと、いつもしんどく切なく黒い思い出ばかりがでてきます。
でも、ここまで歩いてきて、あの夏を思い出す。
わたしは、この場所でしあわせだったんだ。
行き来するフェリーは、その日ものんびりと。静かな海と。
2025年2月記